地震保険っていくら? 令和3年1月改正前に知っておきたいあなたの家の保険料

  • 2020年5月27日
  • 保険
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今回は、「地震保険の保険料っていくら?保険金ってどのくらいもらえるの?」という疑問に算出方法の例をあげて、わかりやすく解説していきたいと思います。

ちなみに、地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットでの加入が必要になります。
主契約となる火災保険の条件も、地震保険金から出してみましょう。

また、地震保険契約するにあたり「令和3年1月に地震保険に関する法律施行令の改正」「地震保険契約にまつわるトラブル」については、ご注意していただきたい部分となりますのでぜひご一読下さい。

地震保険の保険料をわかりやすく解説

地震保険の保険料は、地震等による被災者の生活を守るために「国」で定められています。では保険料の算出方法をみていきましょう。

<地震保険料の算出方法>
保険料は、以下の計算式を使って算出されます。
保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料(1) × 長期契約の係数(2) ×(100%-割引率(3))=地震保険料(年間)

計算式で使われる保険料や係数、割引率は以下のとおりです。

(1)保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料

地震発生時のリスクを考慮して、対象となる建物の都道府県別の所在地と構造から、保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料が定められています。

(詳細資料1)都道府県ごとの保険基本料率

(2)長期契約の係数(2年~5年)

2年以上の長期契約の場合は、(1)の保険料に長期係数を乗じて算出されます。 保険期間は、最長5年までとなります。(長期保険保険料払込特約条項を付した契約の場合)

(詳細資料2)長期係数

(3)割引制度

対象建物の建築年または耐震性能により割引制度が設けられます。建物と家財に対して、10%~50%の保険料割引が適用されます。(割引制度の重複不可)

(詳細資料3)割引制度

※詳細資料1、詳細資料2、詳細資料3のいずれも、財務省HP 「地震保険の概要

それでは、いくつかの例をあげて保険料を計算してみましょう。

計算式:
保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料(1) × 長期契約の係数(2) ×(100%-割引率(3))=地震保険料(年間)

【例1】

所 在 地:東京都
構   造:鉄骨鉄筋コンクリート造、免震建築物、耐震等級3、耐震基準を満たす
保 険 期 間:5年間
建 築 年:平成28年
契 約 日:平成20年2月
保 険 金 額:2,000万円

<算出方法>

(1)保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料:
25,000円×2=50,000円

(2)長期契約の係数:
4.60

(3)割引制度:
100%-50%=50%

年間保険料:
(1)50,000円×(2)4.60×(3)50%=115,000円÷5年=23,000円

<解説>
(1):(詳細資料1)から「東京都にあるイ構造」の保険料が、「25,000円」と分かります。保険金額が2,000万円のため、25,000円に「2」を乗じます。

(2):保険期間が5年となるので(詳細資料2)の5年係数の「4.60」を乗じます。

(3):(詳細資料3)の割引制度の部分から、建築年や契約日と免震建築物/耐震等級3/耐震基準を満たす構造の3点とも適用されることがわかります。しかし、割引制度の重複不可となるため、最も割引率が良い「50%」を適用して計算します。

保険料:よって、5年間の保険料は115,000円、年間「23,000円」となります。

では、別のパターンでも計算してみましょう。

【例2】

所 在 地:茨城県
構   造:鉄筋コンクリート造、免震建築物、耐震等級2、耐震基準を満たす
保 険 期 間:5年間
建 築 年:平成28年
契 約 日:平成15年1月
保 険 金 額:2,000万円

<算出方法>
(1)保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料:
15,500円×2=31,000円

(2)長期契約の係数:
4.60

(3)割引制度:
100%-30%=70%

年間保険料:
(1)31,000円×(2)4.60×(3)70%=99,820円÷5年=19,964円

<解説>
免震建築物/耐震等級2/耐震基準を満たす構造の3点のうち、契約日が「平成15年1月」となるため、耐震等級2のみ適用されます。そのため耐震等級割引の「30%」を使用します。

【例3】

所 在 地:千葉県
構   造:木造、準耐火建築物
保 険 期 間:1年間
建 築 年:昭和59年
契 約 日:平成20年1月
保 険 金 額:1,000万円

<算出方法>
(1)保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料:
25,000円×1=25,000円

(2)長期契約の係数:
適用なし

(3)割引制度:
100%-10%=90%

年間保険料:
(1)25,000円×(3)90%=22,500円

<解説>
木造の場合、通常「ロ構造」となりますが、準防火建築物に該当するため「イ構造」となります。また、建築年が昭和56年6月1日以降の建物のため、「10%」割引制度が受けられます。

【例4】

所 在 地:北海道
構   造:木造
保 険 期 間:3年間
建 築 年:昭和55年
契 約 日:昭和55年1月
保 険 金 額:1,000万円

<算出方法>
(1)保険金額1,000万円(保険期間1年間)あたりの保険料:
13,500円

(2)長期契約の係数:
2.8

(3)割引制度:
適用なし

年間保険料:
(1)13,500円×(2)2.8=37,800円÷3年=12,600円

<解説>
建築年と構造から、割引制度の適用がないことが分かります。

このように「所在地・構造・保険期間・建築年・契約日・保険金額」から、ご自身で保険料を算出できます。

今回挙げました保険料の基準となります詳細資料は、法改正などで変更される場合もあります。保険料の計算を行う際は、財務省などの公式サイトから最新の情報を確認しましょう。

また「令和3年1月に保険料は上がる見通し」で詳しくご説明いたします。

保険金はどのくらいもらえるか

地震保険の保険金は、地震、噴火またはこれらによる津波が起こった際に生じた住居用の建物および家財の損害に適用されます。地震保険の保険金の上限は決まっており、建物5,000万円、家財1,000万円となります。

ただし、工場や事務所など住居以外の建物や、1個または1組の価値が30万円を超える貴金属や宝石、有価証券などは、保障の対象外となります。

損害の区分方法

保険開始日が平成29年1月1日以降と、平成28年12月31日以前で区分方法が変わります。加入している地震保険の契約書から保険開始日を確認して、どちらの区分方法になるか調べてみましょう。

1.保険開始日平成29年1月1日以降に契約した場合

損害区分は、以下の4つに分けられます。

  • 全 損:地震保険の保険金額の100%(時価額が100%限度)
  • 大半損:地震保険の保険金額の60%(時価額が60%限度)
  • 小半損:地震保険の保険金額の30%(時価額が30%限度)
  • 一部損:地震保険の保険金額の5%(時価額が5%限度)
  • (区分の基準となる詳細資料1)

    2.保険開始日平成28年12月31日以降に契約した場合

    損害区分は、以下の3つに分けられます。

  • 全 損:地震保険の保険金額の100%(時価額が100%限度)
  • 半 損:地震保険の保険金額の50%(時価額が50%限度)
  • 一部損:地震保険の保険金額の5%(時価額が5%限度)
  • (区分の基準となる詳細資料2)

    ※区分の基準となる詳細資料1、区分の基準となる詳細資料2のいずれも、財務省HP 「地震保険の概要

    次にいくつかの事例から、どの程度の損害で保険金がいくらもらえるのか、シミュレーションをしてみましょう。

    【例1】

    地震が発生して建物の壁面に亀裂が生じ、グラスも何点か割れてしまいました。さらに50万円の時計も壊れてしまいました。補償範囲が建物800万円と家財200万円の地震保険に、令和元年8月1日から加入しています。

    <解説>
    建物の壁面の亀裂に関しては、建物の一部損が適用されます。グラスが何点かわれてしまったという部分は、家財全体の時価総額10%よりも下回るものになり適用されないでしょう。50万円の時計に関しては保障対象外となるので適用されません。
    保険開始日は令和元年8月1日となりますので、(詳細資料1)を照らし合わせて計算しましょう。

    建物の保険金額800万円×一部損5%=保険金としてもらえる金額40万円

    【例2】

    地震が発生して、建物の主要構造物が50%の損害をうけ、さらに家財も50%の損害となってしまいました。保険開始が平成5年12月1日に、建物1,000万円と家財500万円の地震保険に加入しています。

    <解説>
    地震で生じた建物と家財のそれぞれ50%の損害をうけたので、それぞれ建物は全損、家財は半損の区分が適用され、支払い適用になります。保険開始日は、平成5年12月1日となりますので(詳細資料2)を照らし合わせて計算しましょう。

    建物の保険金額1,000万円×全損100%=1,000万円
    家財の保険金額500万円×全損50%=250万円
    建物と家財の保険金としてもらえる金額=1,250万円

    地震が発生したときの損害状況に応じて、もらえる保険金額の範囲はだいぶ変わってきますね。
    対象建物の地域や環境、家族の状況によって、どのくらいの補償があれば充分なのか、実際に被災者になったことを想定して計算しておくといいでしょう。

    地震保険金の条件から火災保険の補償範囲を出してみよう

    地震保険に関する法律によって、地震保険料は契約する火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内と定められています。「地震保険料はこのくらいにおさめたい」「地震保険の補償範囲はこのくらいは欲しい」など、地震保険に加入する希望があれば、加入できる火災保険の範囲も決まってきます。

    Aさんのケースを例にとり、地震保険料から火災保険の保険金額を算出してみましょう

    【Aさんの住まい】
    所 在 地:東京都
    構   造:鉄骨鉄筋コンクリート造、免震建築物、耐震等級3、耐震基準を満たす
    建 築 年:平成28年
    契 約 日:平成20年2月
    (地震保険の希望の見積り)
    保 険 期 間:5年間
    保 険 金 額:建物1,500万円 家財500万円
    保 険 料:年間23,000円

    Aさんが希望する地震保険の条件から、火災保険の保険金額は建物3,000万円~5,000万円/家財1,000万円~約1,600万円となります。

    地震保険と火災保険の補償範囲をしっかりと理解しておけば、「よく分からないから保険会社に全てお任せにしたけど、こんなに保険料が高いのか…。補償の範囲が広すぎたかも」ということがなくなってくるでしょう。

    地震等の被災後は、国からの支援以外で自分や家族の生活を立て直していく必要があります。国の支援等もすぐにくるとは限りません。

    個々の状況によって地震にどのくらい備えるかは変わってくるので備えは万全にしておきたいものです。

    一方で、保険料の支払いで現状の生活が苦しいものになってしまっては本末転倒です。

    このようにすべてを考慮した上で、ご自身に必要不可欠な補償額はある程度見積もりできるようにして、無理のない範囲の保険料で最適な保険を選びましょう。

    令和3年1月に保険料は上がる見通し

    前述の「(詳細資料1)都道府県ごとの保険基本料率」は、平成31年に設定されたもので2回目の再設定となります。

    来年(令和3年)の1月には3回目の再設定が発表され、都道府県ごとの保険基本料率は平均5.1%上がる予定のようです。3回目の再設定で改正はおそらく最後となるとのことです。

    改定される保険料の詳細を見てみると、「福島県の非耐火建築物」が最大の上げ幅になり、現在の基本料率の17,000円が、15%増の約19,550円程になる予定です。

    一方、「愛知県などの耐火建築物」が最大の下げ幅になり、現在の基本料率の14,400円が、18%減の約11,800円程になる予定のようです。

    また、前述の「(詳細資料2)長期係数」に関しては、長期契約の地震保険料の割引幅は縮小となり、3年以上の長期係数が0.05%増える予定です。

    お住いの地域によっては、来年の再設定後に契約した方が保険基本料率が割安になる方もいらっしゃいます。基本料率の増加と長期契約の割引減が重なり、今年中に契約した方が割安の方もいらっしゃると思います。

    現在、地震保険の加入を悩まれている方は、お住いの地域に合わせ検討されるのがいいかもしれません。

    参考資料:損害保険料率算出機構「地震保険基準料率表(2019年5月届出)」

    地震保険に関するトラブル

    地震保険の実際にあるトラブルとして、住宅業者や保険金請求代行業者(報酬金は支払われた保険金で対応できるという勧誘をしてくる業者)に、地震損害の修理を勧誘されて契約してしまうことでおきた事例が多くあります。

    このような勧誘をされた時には気を付けましょう!

  • 「この修理代金は全て保険金でますよ!自己負担ゼロです!」
     ⇒実際の修理部分は保険金の対象外だった為、全額自己負担になってしまった。
  • 「修理費として保険会社へ保険金の支払いを代行しておきます!手間がかかりません」
     ⇒保険会社から保険金請求代行業者へ保険金の振込みがされたが、いつまで経っても修理が行われない。
  • このような勧誘を受けたときには、すぐに契約はしないで損害保険会社か代理店に相談してみましょう。また、地震保険契約に関する相談窓口として「そんぽADRセンター」があります。

    一般的な疑問や相談、またはトラブル等でお困りの方はこちらへ相談してみてもいいかもしれません。

    【そんぽADRセンター】
     電話:0570-022808(通話料有料)
     受付時間:平日(祝日・休日および12/30~1/4を除く)9:15~17:00
     URL: http://www.sonpo.or.jp/efforts/adr/index.html

    まとめ

    2011年3月の東日本大震災から、地震保険の加入率は特に増加傾向にあります。

    最近では、あちらこちらで地震速報が流れてヒヤッとする場面も増えてきている方も多いのではないでしょうか。
    この機会に、自分や家族が実際に被災者となることを想定して、ご自身の建物がどの程度の地震保険となっているのか、ぜひ一度計算してみてください。

    また、ご自身や家族の生活や環境などは、年々変化していきます。その状況の変化に応じて、保険の補償範囲も見直していく必要があります。

    ご自身のライフプランに合わせて、最適な保険を検討していきましょう。

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