はじめての自動車保険~基本から選び方まで徹底解説~

  • 2020年5月26日
  • 保険
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自動車保険を自分で選んで加入したいと考えている方。その目的は、支払う保険料を安くすることはないでしょうか。

しかし、保険料が比較的安いネット申し込みができるタイプの保険を選ぶ場合、自動車保険に関する基礎的な知識が必要となります。

また、自動車保険を比較検討するには、どのような補償内容が必要なのか、しっかりと把握することが重要です。

本記事では、自動車保険を初めて申し込む方、自動車保険の選び方が分からない方向けに、基本的な用語の説明から、必要な補償内容を見極めるために注目すべきポイント、保険会社の比較検討手順について解説します。

自動車保険の基本は「強制保険」と「任意保険」

自動車に関する保険は2種類あります。

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)

「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」は自動車損害賠償保障法で定められた保険です。

車両を所持し、公道を走るためには必ず加入しなければなりません。自賠責保険に入っていない車が公道を走行した場合は、無保険運転として罰則が課せられます。

このことから、一般的に強制保険と呼ばれます。

自賠責保険は「被害者を守るための保険」です。
加害者である運転手に十分な資金がなく、被害者に十分なお金が支払われないといった、最悪のケースを防止するために誕生した仕組みです。

保険料は、金融庁監査局保険課の自動車損害賠償責任保険審議会で定められます。

一般的な保険と違い利益目的の保険ではないため、交通事故件数が減少すると保険料が引き下げられます。

・自賠責保険の保険料

36ヶ月24ヶ月12ヶ月
自家用乗用自動車29,520円21,550円13,410円

・自賠責保険の損害の種類と保険金額

損害の種類損害の内容保険金限度額(被害者1名あたり)
傷害による損害治療関係費、文書料、
休業損害、慰謝料等
最高120万円
後遺障害による損害逸失利益、慰謝料等最高4,000万円(後遺障害の程度による)
死亡による損害葬儀日、逸失利益、慰謝料最高3,000万円

引用:国土交通省公式HP 自賠責保険(共済)ポータルサイト 限度額と保障内容

自賠責保険は販売している損害保険会社へ直接、または保険代理店を通して申し込みます。

実際の加入ケースは、車両の購入と同時にディーラー等の販売店が手続きをするのがほとんどのようです。
これは販売店が損害保険販売代理店として登録しているためです。

損害保険会社を選択したい場合は、販売店での申し込みは依頼せず自分で手続きをします。ただし、自賠責保険の登録が完了するまで、公道へ出て運転することはできません。

自動車保険

一般的に「任意保険」と呼ばれる、損害保険会社がそれぞれ商品を造成し、販売している民間保険です。
テレビコマーシャル等で軽快なフレーズを耳にする機会も多いのではないでしょうか。

自賠責保険は事故被害者を守るための保険であるのに対して、自動車保険は運転者自身を守るための保険です。

任意保険はその名の通り、強制保険で足りない部分を補填するものです。
補償の不足部分は人や環境によって異なるため、自分に必要な補償内容をよく把握することが大切です。

押さえておきたい自動車保険の用語と種類

初めて保険契約をする際、聞きなれない用語が並んでいることが多くて挫折してしまった経験はありませんか?

まずは基礎知識となる用語の意味や、保険のタイプの違いを理解しましょう。

保険用語

・保険料
被保険者になるために、契約者が保険会社へ支払う料金。月額払いや年払い、○か月、など契約期間に対して支払う。

・保険金額
事故が起きた時に、保険会社から契約者へ支払われるお金。損害保険の場合、契約した保険金額を上限とし、実際の損害額を補填する金額が支払われる。(「実損払い」という)

・割引
条件を満たすと適用され、保険料が安くなる。後述する「等級」によって割引率が決まるほか、各保険会社がオリジナルの割引サービスを用意している。

・ノンフリート等級
契約者が所有、利用する自動車の台数が9台以下の場合の契約(「ノンフリート契約」という)に対して適用される、保険料の割増・割引率の等級区分のこと。
等級は1等級~20等級に分かれており、初めての契約では6等級または7等級が設定される。

契約している1年間の間無事故だった場合、次の契約では1等級上に上がり割引率も上がるが、事故にあった場合は3等級下に下がり割引率も下がる。

自動車保険のタイプは代理店型と通販型の2種類

検討している保険会社が代理店型か、通販型か。
どちらで申し込むかによって大きく保険料が変わります。また、これを把握することで保険会社の比較検討がスムーズに進みます。

・代理店型
保険商品の販売代理店で担当者が1人つき、接客形式で保険をご提案する。手続きの大半を代理で実行してもらえる。
例)東京海上日動火災保険、損保ジャパン、三井住友海上火災保険

・通販型(ダイレクト型)
WEBや電話などで、契約者が損害保険会社へ直接申し込む。代理店への販売手数料がかからないため、保険料が全体的に安く設定されている。
例)ソニー損保、イーデザイン損保、セゾン自動車火災保険

代表的な自動車保険の補償7種類

基本的な補償内容は大きく分けて、相手への賠償、自分のケガの補償、車の補償の3分野あり、自動車保険の商品を比較する際に重要な基礎知識です。

相手への賠償2種類、自分のケガの補償4種類、車の補償1種類を押さえ、自動車保険の基本補償内容にどこまで含まれるかを把握しましょう。損害保険協会ホームページ掲載の定義を確認します。

(1)相手への賠償(賠償責任)2種類

対人賠償保険自動車事故により、他人を死亡させたり、ケガを負わせて法律上の損害賠償責任が生じた場合に、
自賠責保険の補償額を超える部分に対し保険金が支払われます。
対物賠償保険自動車事故により、他人の自動車や建物などの財物に与えた損害に対して、
法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。

(2)自分・搭乗者のケガの補償(傷害保険)4種類

人身傷害補償保険自動車事故により、死亡したり、ケガをしたときに、自分の過失部分を含めて、
自分の契約している損害保険会社から損害額の全額が支払われます。
自動車事故により、死亡したり、ケガをしたときに、自分の過失部分を含めて、
自分の契約している損害保険会社から損害額の全額が支払われます。
搭乗者傷害保険運転者や同乗者など、自動車に搭乗中の人が事故によって死亡したり、
ケガを負ったときに保険金が支払われます。
自損事故保険自賠責保険では補償されない運転者自身の自損事故(運転ミスによる電柱への衝突など)で、運転者などが死亡したり、ケガをしたときに保険金が支払われます。
無保険車傷害保険対人賠償保険を契約していないなど、賠償資力が十分でない他の自動車に衝突されて、
運転者や同乗者が死亡または後遺障害になったときに保険金が支払われます。

(3)車の補償1種類

車両保険偶然な事故により、自動車が損害を受けた場合に保険金が支払われます。

引用:自動車保険|日本損害保険協会

みんなの意見を参考にした補償内容の選び方

では、実際にどのような補償を選べばよいのでしょうか。

自分が必要とする補償を選択するのが一番ですが、初めて自動車保険を契約する場合は、どんな補償が必要か、きちんと把握するのはなかなか簡単ではないですよね。

そこで、実際に自動車保険を契約している人がどのような補償を付けているのか、統計データから見てみましょう。

基本補償

下の表は、自動車保険の各補償の普及率を表すデータです。

対人賠償対物賠償人身傷害搭乗者傷害車両
自家用普通乗用車82.6%82.6%81.3%30.7%61.6%
自家用小型乗用車79.0%79.0%77.0%27.5%51.4%
軽四輪乗用車77.4%77.4%75.7%25.1%47.4%
軽四輪貨物車55.0%54.9%48.6%18.0%18.7%

損害保険料率算出機構統計集2019年度版_自動車保険統計 第18表 任意自動車保険 用途・車種別普及表〈2019年3月末〉

対人・対物の保険金額は9割が「無制限」を選択

上記の表から、ほとんどは対人賠償と対物賠償はセットで加入していることがわかります。その中でも保険金額を「無制限」で契約している人は、対人賠償保険の99.4%、対物賠償保険では91.5%です。

自賠責保険では、対人賠償はケガ120万円、死亡3,000万円、後遺障害4,000万円までが保険金額で、対物賠償は対象外となります。
しかし、実際はこの保険金額では不足しているのが現状です。

具体的な過去の事故事例を挙げると、最高賠償額は対人で5億2,853万円。対物賠償額は2億6,135万円。

その他にも1億円を超える高額な賠償事例が増加していることが、日本損害保険協会では、対人・対物の保険金額は「無制限」を選択することを推奨しています。

出典:(一般社団法人)日本損害保険協会HP「自動車保険

傷害・車両保険はリスクに応じて柔軟に変更できるか

次いで人身傷害も高い加入率です。搭乗者傷害保険や車両保険については、家族の乗車頻度や車両の価値などが影響します。

一方、人によっては生命保険などに十分な補償をかけており、他の保険と重複するケースも考えられます。

そこで、保険会社によっては重複する範囲を狭めることができたり、環境を制限したりと、柔軟な対応を可能にしているようです。
必要性が少ないと感じる補償範囲を変更できるかどうか、保険会社ごとの比較をする際に注目すべきポイントです。

例えば、一般的な人身傷害保険は、自分が加害者・被害者関係なく自分と、搭乗者に対しても支払われます。

また、運転中以外にも、歩行中や自転車運転中に遭ってしまう自動車事故に対しても支払われます。この対象範囲を一部に制限することで保険料を抑える商品もあります。

特約は必要?

代表的なものは、事故発生時、相手方とのトラブルに対して補償を付帯するもの(弁護士費用特約・個人賠償責任特約・対物差額修理費用補助特約など)や、バイクや自転車に乗る頻度が多い方向けの特約(ファミリーバイク特約など)があります。

特約は各保険会社によって個性が出るポイントです。
各保険商品の補償範囲・特約の比較の際は、ある程度保険会社を絞った後で特約の内容を細かく見てみましょう。

日本損害保険協会 – SONPO | 自動車保険商品の比較サイト

日本損害保険協会が提供する比較サイトでは、各保険会社の自動車保険ごとに補償内容や主な特約の有無をシンプルに見比べることができます。

自動車保険の保険料はまず見積もりを

自動車を保有している人が、平均でどのくらい自動車保険の保険料を支払っているのでしょうか。

新たに契約を考えている方にとっては、非常に気になる点です。

しかし自動車保険の保険料は運転者の環境、ノンフリート等級や免許証、年齢や地域によって大きく変わります。

そこで世間の相場ではなく、まずは自分の自動車保険料の相場を把握することが大切です。

各損害保険会社のホームページや、比較サイトでは、無料で試算が可能です。
実際に算出された料金をもとに、各保険会社での補償内容を比較する方法をおすすめします。

参考:新契約の自動車保険料の相場

参考までに、自動車保険に新規加入する場合の平均保険料のデータです。

実際は下記料金よりも少し高いと考えて下さい。

理由は2点、下記データのは自家用車から二輪車まで、全ての自動車保険の保険料から算出した平均値である点と、昨今は消費税増税等の影響で値上がり傾向にあるためです。

新契約自動車保険 総括表

一台当たりの保険料
2014年5万9425円
2015年6万2487円
2016年6万0069円
2017年5万8943円
2018年5万7995円

損害保険料率算出機構統計集 2018年度版(2020年3月発行)自動車保険統計 第1表 自動車保険 総括表 のデータを基に、FPサテライトにて算出

自動車保険(任意保険)の保険料が変わるポイント

自動車保険の料金は各条件に対して細かな料金設定がされており、損害保険会社が独自の料金比率で定めます。
具体的な料金は、各保険会社のホームページや一括見積もりができる比較サイト等で実際に試算することができます。

自動車の型式

「型式別料率クラス制度」が適用され、事故リスクの高い車種であれば保険料が高くなります。車両のクラスは下記サイトで確認することが出来ます。
参考:型式別料率クラス検索|損害保険料率算出機構

運転者のプロフィール

以下は試算・契約時に必ず申請しなければならない項目です。使用頻度や使用人数などを申請します。リスクが高ければ保険料は高く、リスクが低いほど保険料は安くなります。

  • 年齢
  • 免許証の色
  • 運転者の範囲
  • ノンフリート等級
  • 使用目的
  • 走行距離

ノンフリート等級

ノンフリート等級とは、運転者が事故を起こす可能性の低さに対して与えられる「等級」です。初めて自動車保険に加入する場合は、通常「6級」からスタートします。

1等級から、最高20等級まであり、契約期間のうち、1年間を無事故で経過すると1等級昇級します。
事故が発生した場合、事故内容によって1等級または3等級の降級となります。

つまり、等級が高いほど運転者の事故発生リスクが低いことの証明になり、自動車保険の仕組みである「等級別料率制度」によって保険料が下がります。

損害保険会社の広告には、一般的な保険料の例として具体的な料金が挙げられていますが、格安な料金例に対しては注意が必要です。契約者の例として「20等級の場合」と書かれているケースが多いのです。

しかし、最高20等級に達するためには最低14年間無事故で契約し続ける必要があります。
自動車保険を初めて契約する方の等級は6等級ですから、広告通りの安い料金にはならない場合があります。

なお、ノンフリート等級の情報は「自動車保険の等級情報交換制度」によって損害保険会社間で共有されるため、他社への保険の乗り換え時に等級は自動的に引き継がれます。

一般的な等級の割引率は以下の通りです。
※割引率は各保険会社で異なる場合がありますので、各社ホームページでご確認下さい。

(等級別割増引率例)


1234567891011121314151617181920





64
%
28
%
12
%

2
%

13
%

19
%

30
%

40
%

43
%

45
%

47
%

48
%

49
%

50
%

51
%

52
%

53
%

54
%

55
%

63
%

参照:損害保険Q&A – くるまの保険 – 問23 任意の自動車保険

自動車保険の保険料を安くする3つのポイント

ここからは、必要な補償を選定し終えた後、さらに保険料を少しでも安くするためにできることがあれば実施したい方へお伝えします。

自動車保険の契約申し込み前に割引を適用させたい場合、チェックすべきポイントが3点あります。

それは「インターネットで」「ペーパーレスで」「早めに」申し込むことです。

ポイント1.「インターネットで」申し込む通販型自動車保険

自動車保険の加入経路には、代理店型と通販型の2種類ありますが、インターネット上で申し込みができるのは通販型(ダイレクト型)です。

代理店では接客担当者が補償内容の提案や手続きまでのすべてを代理で行います。しかし通販型の場合、必要な補償範囲や特約も自分で判断する必要がありますから、ある程度の基礎知識がないと申し込むことができません。

基本的な情報を正しく把握し、理解することができる場合は通販型が便利です。

また契約後の確認作業等はすべてウェブ上で行うことになります。保険会社によっては、スマートフォン向けに契約者専用のアプリが提供されます。

各社サイトやアプリの見やすさや扱いやすさも判断材料にされてはいかかでしょうか。

ポイント2.「ペーパーレスで」契約する証券不発行割引

通常、保険契約をすると、保険証券や約款など契約内容の詳細に関する書類が郵送され、契約期間中はこれを保管します。

自動車保険では「証券不発行割引」を提供している保険会社があります。これを選択すると書類は郵送されず、契約内容は各保険会社が用意した契約者専用のマイページにアクセスすることで確認します。

インターネットを日常から使い慣れている方にとっては、お得な割引制度かと思います。

ただし、その場合はマイページから情報が乗っているページを印刷し、紙媒体で車に保管することをおすすめします。

事故発生時にパニックになってしまったり、ウェブにつながりにくい地域にいたりした場合、保険会社への連絡に必要な情報へアクセスすること自体が困難になると考えられるためです。

ポイント3.「早めに」申し込めば早割適用

車両の購入まで期間に余裕のある方は、早めに自動車保険の契約に動き出しましょう。契約開始日は指定できますから、乗車前から保険料が発生することはありません。

一部の保険会社ではおよそ30日前、45日前、50日前を目安に早割を実施しています。条件に合う方は利用すると良いでしょう。

参考:通販型自動車保険の割引一覧
下記表の他にも、各社オリジナルの割引きサービスを展開しています。

安さを最優先にした結果、必要なときに必要な補償が受けられないと保険に加入した意味を失います。補償内容と適用できる割引をかけ合わせながら、慎重に検討しましょう。

ダイレクト型の各保険会社で実施されている代表的な3種類の割引

損害保険会社名インターネット割引証券不要割引早割
ソニー損保10,000円500円
イーデザイン損保10,000円500円45日前 500円
セゾン自動車火災保険
(おとなの自動車保険)
10,000円50日前 600円
30日前 400円
SBI損保10,000円500円
チューリッヒ保険会社3,000円~
最大20,000円
500円45日前 500円
アクサ損害保険株式会社2,000円~
最大20,000円
三井ダイレクト損害保険株式会社10,000円500円
楽天損害保険株式会社
(ドライブアシスト)
定率22%
(条件有)

まとめ

自動車保険の選び方で注目するポイントは5つ。

  1. 保険会社は代理店型か通販型か
  2. 基本補償の7種類はどこまで含まれるか
  3. 対人・対物の保険金額は「無制限」か
  4. 補償範囲を柔軟に変更できるか
  5. 必要な特約を取り扱っているか

ある程度絞ったら以下の手順で検討することをおすすめします。

  1. 実際に見積もりをし、自分の相場を知る
  2.  ↓

  3. 各保険会社の自動車保険の補償内容、特約を比較検討する
  4.  ↓

  5. 保険料を比較する

自動車保険は、契約者の家族構成や運転環境によって大きく変わることがおわかりいただけたかと思います。安易に相場から判断したり、一概に「これがいい」と断言したりすることは難しいといえます。

自動車保険の中身の知識を押さえておけば、自分で申し込むことができます。もし、ご自身の運転環境が特殊なケースである場合や、心配なときは、一度代理店での契約を検討し、担当者に見てもらうのも一つの手段です。

その後、安さに注目し乗り換えという形で通販型の新規契約を申し込む際には、基礎知識が有効活用できるかと思います。

ご自身のリスクに備えた、納得できる自動車保険選びを応援しています。

参考:
自動車保険|日本損害保険協会
日本の自動車保険制度

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