学資保険は複数の保険会社で取り扱っていますが、郵便局が扱う学資保険もあります。
「はじめのかんぽ」という名称で販売されており、郵便局で販売され全国の窓口で加入できる便利さから関心を持つ方も多いようです。
今回はそんな「はじめのかんぽ」の特徴やメリット・デメリットなどをご紹介します。
学資保険を検討されている方の参考になればうれしいです!
ゆうちょの提供する学資保険「はじめのかんぽ」
学資保険は保険商品のひとつで、一般的に子どもの高校や大学進学費用の準備を目的とします。
毎月保険料を支払うことで、満期を迎えた時にある程度まとまった額の保険金を受け取る仕組みです。
日本郵政グループの生命保険会社である株式会社かんぽ生命が取り扱う学資保険が「はじめのかんぽ」です。
全国どこにでも郵便局の窓口があり加入がしやすく、発売当初は保障が手厚い点などから人気を集めました。
まずは、「はじめのかんぽ」の特徴についてお伝えします。
実は、学資保険は加入できる時期が限られていることが一般的です。
子どもが7歳を過ぎると加入できない商品も多くあるのですが、「はじめのかんぽ」は、加入できる時期が2種類あります。
- 子供が0~3歳まで
- 子供が0~12歳まで
「はじめのかんぽ」は3つのコースから希望に合うものを選択して加入します。
(満期保険金を「学資金」という呼称で統一しているようです。)
(1)「大学入学時」の学資金準備コース
17歳または18歳満期で、保険料の払込期間は12歳、17歳、18歳から選べます。
(2)「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
保険料の払込期間は12歳、17歳、18歳から選べますが、このコースだけは加入時期が0~3歳に限られます。
小・中・高の入学前の12月に学資祝金を受け取り、大学入学時には満期保険金が受け取れます。
(3)「大学入学時+在学中」の学資金準備コース
大学入学時(18歳)に加え、在学中(19歳、20歳)にも学資祝金が受け取れます。
また、大学4年(21歳)の時には満期保険金と契約者配当金が受け取れるコースで、保険料の払込期間は12歳と18歳から選べます。
次に、「はじめのかんぽ」の メリット・デメリットについて、見てみましょう。
学資保険「はじめのかんぽ」5つのメリット
「はじめのかんぽ」のメリットは次の5つです。
- 様々な保険料払込期間が選べること
- 豊富な特約があること
- 妊娠中に加入ができること
- 17歳満期の設定が可能なこと
- 契約者配当金があること
順番にみていきましょう。
1. 様々な保険料払込期間を選べること
「はじめのかんぽ」では保険料の払込期間を選ぶことができます。
かんぽ生命のホームページでは、毎月払いと契約時にまとめて支払う前納払込みが紹介されています。
保険料を払う期間はコースにもよりますが、12歳、17歳、18歳から選択可能です。
最短の12歳は毎月の保険料は他と比べて高くなるものの、保険料の総額は抑えられます。
最長の18歳とすると毎月の保険料を抑えられますが、保険料の総額は12歳までとした時よりも多くなります。
2. 豊富な特約があること
契約者が万一死亡等された時は、保険料の支払が免除される特約が付いています。
契約者が死亡等された時は以後の保険料は払込み不要となりますが、保障は継続するため、保険金は予定通り受け取ることができます。
子どものケガや病気にそなえる医療保障として、入院保障特約があります。 「はじめのかんぽ」では、特約を付けるとその日から保障が付いてきます。
入院保障特約を付けると医療保障分の保険料が発生するため保険料は上がります。
3. 妊娠中に加入ができること
「はじめのかんぽ」は、子供の出産予定日の140日前から加入ができます。
子どもが産まれたら速やかに郵便局や、契約をした支店に連絡が必要となります。
特約は子どもの出生後でないと付けられないため、付けたい特約があれば、産まれたことを連絡する際にあわせて手続きをするとよいでしょう。
万が一流産や死産の場合には契約が無効となり、すでに支払った保険料は契約者に払い戻されます。
4. 17歳満期の設定が可能なこと
推薦入試やAO入試など入試制度が多様化し、高校3年生の秋に受験費用や入学金が必要になることもあります。
学資保険で18歳満期とした場合、18歳の誕生日より後に保険金を受け取ることになります。お金が必要な時期に受け取れないと困ってしまいますよね。
かんぽ生命のホームページでは以下の例が記載されています。
「1月に申し込みをし、契約日が2月になった場合、17歳満期:17歳(高校2年生)の2月に、18歳満期:18歳(高校3年生)の2月に満期保険金をお受け取りいただけます。」
このように必要な時期にお金が受け取れるよう、満期年齢を17歳とすることが可能です。
5. 契約者配当金があること
契約者配当金は、かんぽ生命の決算に基づいて定められた方法で割り当てられるお金です。
必ず支払われるものではなく、収益状況などによっては支払われないこともあります。
なお、契約者配当金は基本契約部分のみが対象で、特約部分の契約者配当金はありません。
学資保険「はじめのかんぽ」のデメリット
かんぽ生命の学資保険は、2016年に保険料の改定が行われた影響もあり、元本割れの可能性が高いというデメリットもあります。
コースの選び方や払込満了年齢によっては、受け取る保険金の額が、支払った保険料の額を下回ることがあるのです。
学資保険を契約するときに、「保障の手厚さ」よりも「貯蓄性」を重視したい!という方には魅力を感じられないかもしれません。
学資保険「はじめのかんぽ」に加入する時に考えるべきこと
学資保険は保険料の払込期間や、入院の保障等をどこまで重視するかで保険料が変わります。
自分の重視する要素をまずは整理することが、ベストな選択のために大切です。
それでは、学資保険を選択する際の大きな要素である返戻率と、入院時の特約について詳しく見ていきましょう。
「はじめのかんぽ」の返戻率
返戻率とは、保険料の総支払い額に対して、満期保険金が総額いくら受け取れるかを算出したものです。返戻率100パーセントは、支払った保険料と同額が受け取れるということになります。
保険料を払込む期間が長く、学資祝金等のお金が小出しで支払われる機会が多いほど、返戻率は低くなる傾向があります。
先ほど、3つのコースから選べるとお伝えしましたが、(2)や(3)のコースで18歳まで保険料を支払う場合は元本割れをしたり、返戻率が低くなったりします。
そのため、返戻率を100パーセント以上としたい場合は、保険料を支払う期間は最短の12歳までとし、まとめて学資金を受け取れるコースを選ぶことになります。
けがや入院時の特約内容
先ほど、「はじめのかんぽ」の特徴のひとつとして、子どものケガや入院等の医療保障も特約として付けることができるとお話ししました。
この「無配当総合医療特約Ⅰ型」の特約内容は、次の3つの保障に大きく分けられます。
※金額は特約基準保険金額が300万円の場合。
1. 入院の保障
入院した場合、入院日額4,500円を1回の入院につき最大120日まで受け取れます。
また、入院初期保険金として入院日額の5倍(22,500円)も受け取れます。
2. 手術の保障
外来手術は入院日額の5倍(22,500円)、入院中の手術は入院日額の20倍(90,000円)が受け取れます。
※一部支払いの対象にならない手術もあります。
3. 放射線治療の保障
放射線治療を受けた場合に、入院日額の10倍(45,000円)が受け取れます。
月々の保険料と学資金
かんぽ生命「はじめのかんぽ」に加入した場合のシミュレーションの一例を紹介します。
- 契約者:35歳男性
- 子ども:1歳
- 基準保険金額:300万円
- 保険料払込期間:12歳まで
- 入院日額:4,500円
コース | 保険料(月額) | 学資金 |
---|---|---|
はじめのかんぽ (18歳満期) | 16,530円 | 300万円 (+契約者配当金) |
はじめのかんぽ (学資祝金付18歳満期) | 21,300円 | 390万円 (祝い金+満期保険金) |
はじめのかんぽ (学資祝金付21歳満期) | 16,560円 | 300万円 (祝い金+満期保険金) |
進学にかかる費用は、進路によっても違いがあります。
一般的に、高校進学後に私立の大学へ進学する場合は、国公立の大学に比べ教育費の負担が大きくなります。
学資保険で教育費の備えを検討する際は、長期に渡り無理なく支払える保険料の金額を設定することが大切になります。
学資保険「はじめのかんぽ」の解約や貸付について
学資保険は長期にわたって加入し、満期保険金を受け取ることが前提ですが、途中で解約することも可能です。
保険料の負担が重くなってしまった場合などに、一部または全部を解約するほか、貸付制度を利用するという方法もあります。
解約の方法
一般的に、解約の手続きは書面で行います。
解約を希望する場合は近くの郵便局の窓口またはコールセンターに申し出て、保険証券(または契約の記号番号が記載された通知など)と印鑑、本人確認書類等を準備して、近くの郵便局窓口で手続きをすることになります。
解約に伴うデメリット
学資保険を途中で解約する時は「解約返戻金」を受け取りますが、「はじめのかんぽ」で医療保障の特約をつけた場合には、解約返戻金から学資保険に加入していた期間にかかった子どもの、医療保障のお金が差し引かれて支払われます。
様々な保障が充実している分、「解約返戻金」は少なくなるのです。
また、再度学資保険に加入しようとした場合、年齢や健康状態によっては加入が難しくなることもあります。
貸付の方法
一般的な生命保険の商品には「契約者貸付制度」があります。
学資保険にも生命保険の商品と同様に、契約者貸付制度があります。
教育費等の保障を継続しながらお金の調達ができるというメリットはありますが、あくまで保険会社からお金を借りている状態です。
そのため、決められた期間内に利息も含めて返済する必要があります。
返済をしなかった場合、学資祝金や満期保険金から未返済分のお金が差し引かれますのでご注意ください。
契約者貸付の利用を希望する場合は、保険証券・印鑑・本人確認書類を準備したうえで郵便局の窓口で制度の利用申込み手続きを行います。その後、かんぽ生命の審査を経て郵便局の窓口で受け取るか、契約者の郵便貯金口座にお金が振り込まれます。
※委任状があれば、代理人でも窓口で手続きが可能です。
返済計画を立てて、どうしても必要な場合に利用するのがよいでしょう。
ゆうちょ以外の学資保険との比較
これまで、かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」について見てきました。
ここで、ほかの代表的な学資保険の商品と比較してみます。
ソニー生命
https://www.sonylife.co.jp/land/hoken-camp/
契約者配当金を割り当てない無配当型のプランで、教育資金の備えに特化したシンプルさが特徴です。
返戻率が100パーセントを上回るため、学資保険の貯蓄性を重視する方に人気があります。
また、保険料の支払期間として10歳までを選択できますので、本格的に教育費がかかる前に支払いを終えることも可能です。
JA共済
選択するプランによって、細かく保険料の払い込み年齢が選べることが特徴です。
大学入学時に備える「大学プラン」だけでなく、中学プランや高校プランがあります。
また、契約3年目以降は割戻金が発生し、契約中いつでも引出し可能です。ただし、割戻金の額は年度ごとに変動し、経済情勢によっては0となる年度もあります。。
払い込み期間を短く設定することにより、返戻率も100パーセントを上回ることが可能です。
より自分にあった保険を選ぶためには、専門家に相談するのが最短!
ここまで、ゆうちょの学資保険「はじめのかんぽ」について解説してきました。
代表的な他社の学資保険とも簡単に比較してみましたが、この記事では解説しきれないことがたくさんあります。
もちろん、他にもたくさん学資保険を扱う保険会社はあり、どこの学資保険が自分にぴったりなのかは家庭の状況や何を重視するかによっても違います。
専門家へ無料相談をおこなえば、無駄なくスピーディに最適な学資保険がみつかります。
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相続相談全般 |
ゆうちょの学資保険「はじめのかんぽ」まとめ
今回は学資保険の中で、かんぽ生命の「はじめのかんぽ」について解説しました。
「はじめのかんぽ」は子どもの医療保障特約等の手厚い保障が特徴です。
また、全国の郵便局窓口で手続きできる便利さを魅力に感じる人もいらっしゃるでしょう。
ただ、手厚い保障がある分、返戻率はそこまで高くなく元本割れするケースもあります。
学資保険の加入にあたって、貯蓄重視の方には大きなメリットが感じられないかもしれませんが、保障重視の方には魅力のある商品といえます。
学資保険は必ず加入が必要なものではありません。
ご自身のライフプランに照らし合わせて加入するかどうかを決めましょう。
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